大きな栗の木の下で

→→→ Prologue 



いつも通りの朝だった。

俺は一度伸びをすると、眠たい目をこする。
少々身体がだるいのは、昨日の酒のせいだろうか……
そんな事を思い浮かべつつベッドを降りようと――
「……い…って!」
何故かもんどりうって転げ落ちる。
何だ…?何か勝手が違うなぁ…二日酔いか?そう言えば喉の調子もおかしいような……
ぶつけたおでこをさすりつつ、俺は顔を洗う為に洗面台へと向かった。
何か感じる違和感、見慣れた風景の自分の部屋なのに何処となく違う。
寝ぼけてるかな……
頭をがりがりと掻きながら通りに置いてあった姿見を見て――
「…っっ!!何じゃこりゃあ…!!?!」
がばぁ、とそれに噛り付く。
そこには、あどけない瞳を大きく見開いた、小さな子供が立っていた――

 

 

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