大きな栗の木の下で

→→→ scene01 



「……何の冗談なの?」
「それはこっちが聞きたい…」
俺の部屋に迎えに来たルックが開口一番呆れた声で言う。
状況が全く掴めていない今、当然のごとくこの事態に説明できるわけもなく。
はぁ…と溜息をついて項垂れるしかなかった。
「良くもまぁ…見事に縮んだね……」
ルックはワザとらしく腰を屈めて目線を合わせる。
近づく顔に笑みが浮かんでいる事に憮然となった。
「笑い事じゃないんだぞ?」
いつものように眉を顰め苦く睨んでも、幼い子のそれでは迫力も何もない。
強がっているような感が、かえって可愛らしいくらいである。
「そうだね…取り合えず、その格好を何とかしないとね」
合う服がない為、長めのTシャツをだぼだぼ羽織っているだけの俺を見てくすくすと笑う。
……面白がってやがる…
少年の楽しげな様子を見てまた、むむ…と口をへの字に結ぶが、言ってる事は最もだったので反論はしなかった。
どうにかしてきてあげる……
そう言うとルックは姿を消した。

 

 

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