不覚、以外の言葉が見つからなかった。
「……っ、く…」
朦朧とする思考の中で、現実に引き戻すのは…
耐え難い
快感
「……ずいぶんと、強情な子…」
目の前で妖艶に笑う、女の形をしたモノが、僕の顎に指をかけて引き上げる。
絶え間なく続く快楽で、頭は麻痺しかけていた。
それでも、見上げる瞳は鋭く、その女の顔を睨みつけた。
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深淵の森の中、薄暗いその場所をあても無く歩く。
ルックは樹木の合間を苦労して歩き、森の中心へと向かって行く。
此処らで不穏な気配を感じる…と、レックナート様からの依頼で調べに来ていた。
確かに辺りから窺い知れるのは、どす黒い魔力のうねり。
魔法と深く関わる者にのみわかる、特有の濃密な匂いが充満していた。
「……ひどいね…」
思わず、と言った様子で口からぼやきめいた呟きが漏れた。
奥に歩くにつれ、どんどん密度は高くなる。
この感覚は慣れているはずなのに、先ほどから顰められた眉が、ルックの心情を表していた。
内なる真の紋章から、発せられる魔力は辺りに漂うものとは比では無い。
しかし、自分とは相反する質ゆえか、纏わりつく空気が不快で仕方なかった。
気分が悪い……
吐き気すら覚える。どうやら、原因から発せられるものと、自分は相性が悪いらしい。
自分の内なる物への自負から、たいした装備も持たずに来てしまった事が悔やまれた。
一旦戻った方が良いかも知れない。
さすがに歩くのすらやっと、の状態では、いざ原因と相対した所でろくな対処が出来ないように思えた。
塔に帰って…特殊な札でも作って……
そう思って、立ち止まった矢先だった。
木の陰から細い一本の蔦が、高速でルックへと襲いかかる。
「……っ!!」
未だ、何とか保たれていた警戒の意識で、かろうじてその攻撃をかわす。
避けきれない鋭い風圧に、右頬に一筋の赤い線が引かれた。
攻撃は、その一瞬で消える。
辺りの木の陰から窺っているのだろうか…しぃ…ん、と静まり返っていた。
神経を研ぎ澄まして気配を探るが、いかんせん…先からの濃い魔力が、集中を邪魔していた。
内心で舌打ちする。
どうやら…ずいぶんと奥まで入り込んでいたらしい、もしかしたら今の攻撃の主がこの原因かも知れない。
強力なモンスターでも迷い込んだのだろうか…
今まで雑魚モンスターが一匹も出なかったのも、その所為かもしれない。
(…………?)
何とか対策を練ろうとしていた思考に、ふいに違和感を感じ取る。
辺りの空気が変わっている。あの…嫌な匂いに、微かに甘い…?
(……っ、しまった…)
気付いた時にはすでに遅く。吸い込んでしまった、甘い香りは脳を痺れさせていく。
抗えない強力な睡魔が襲う。魔力の匂いに紛れて、気付かなかった、この香りは催眠の――…
がくり…と、地面に膝がつく。
転移する為の魔力を編み出そうとするが、この状態では集中もままならない。
「……ッ…ク」
意識が途切れる中で、出る前に共に行こうとしてくれた人の顔が浮かんだ。
あの時…素直に受けていれば…
一言、呼ぶ声も全て発せられないまま、ルックの身体はそのまま地面へと倒れた。
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再び、瞳を開いた時には、すでに両手、両足は身動きがとれず。
視界の端から映る、緑色の蔦でしっかりと拘束されていた。
全体像は確認できないが、伝わる魔力からこいつが瘴気とも言える魔力の原因だろう。
蔦が無数に織りなってできているような…見た事も無いモンスターだ。
こいつ自身には思考能力はないらしい。飼ってでもいるのか、もう1人の女が指示を与えているようだ。
声に出していないから…神経で繋がっているのかも知れない。
「素直になりなさい、ぼーや?……早く、吐き出しておしまい」
「……誰が…」
至近距離で微笑む女の言葉に、ぎり…と、歯を噛み締める。
未だ意識が保っている事に感謝していた。これも、常からの精神統一の賜物か。
だが、魔法を使うまでには至らない。それと言うのも……
「……、ふ…っ…」
下半身へ延びる、細い蔦が…敏感な中心に巻きつく。
思考をとぎらせているのは、肌の上を縦横無尽に蠢く、蔦からの刺激で…
睨みつけていた瞳が、閉じる。
女が指令を与えたのだろうか、動く速度が増して、中心への愛撫が激しくなっていた。
ただ、擦られているだけならば快感を覚える事など無い。
自分の身体くらいコントロールできるようになっている。
ただ、一人だけを除いて…快感なんて感じられないはずなのに。
「…ぁ、……く……」
蔦の先から抽出されている、トロ…と、した液体が先端へと塗り込められた。
先ほどから何度も、その液体は中心へ流されていて…滑りよく蔦は扱く動作を続けている。
催淫の効果があるようで、強制的に快楽を生み出されていた。
それでも…ぎりぎりの所で耐えていた。
こんな屈辱を許すわけにはいかなかった。
吐き出してしまった方が楽なのはわかっている、少しは思考も回復するかも知れない。
でも…
「本当に…強情なこと、…私の可愛い子が、精気を欲しがって泣いてるわ…?」
長い爪が頬に残った傷を抉った。鋭い痛みに、びく…ん…と身体が跳ねる。
最大まで高められた身体は、そんな僅かな刺激にさえ反応してしまっていた。
それでも、落ちる事だけはしたくない。
こんな…こんな奴に、…自分のモノをくれてやるくらいなら。
このまま気が狂っても構わない。
握り締めた拳が、手の平を傷つけている。自分で起こす痛みは、現実へと繋ぎとめる救い。
そして…脳裏に浮かぶその人の姿は、もっと強い…鎖となって…
「……は、…っ……、…無駄、だよ…人間の、精を糧にでも…してるんだろうけど…僕、のは…高級過ぎて食あたり…するよ?」
苦痛にも等しい快楽の中で、顔を上げて口元をつり上げて笑って見せる。
歯噛みするのは、女の番だった。今までの笑みを一転して憤怒の形相に変わる。
「……じゃあ、これはどうかしら?…もっと長く楽しもうと思ったけど…」
パチン…と、指を鳴らせた。
その瞬間…前に絡み付いていた数本がするり…と引いて行く。
愛撫が切れる事で、ふ…と、付く息が次の感触に詰る。
何本かまとまった蔦が、後ろへと伸ばされていて…滑りを出す先端がその入口へと触れた。
「……っ!……く、……」
意図するものを汲み取って、思い切り手足に力を入れ逃れようとするが、しっかりと固定された身体は微動だにしない。
それどころか足は両端に引かれて、抵抗も空しく開脚させられていた。
ソレを…導くかのように。
「……やめ…ろ、…ヤ……っ…」
女が再び指を上げる。…それが鳴る音が聞こえた直後…
ずぶ…り…と、先の細くなった部分から内部へと入り込んだ。
「……っい…、…アァ…ッ…あぁぁぁ…っ!!!!」
固く閉ざされた抵抗をものともせずに、無理矢理侵入する。
拠り合った蔦はだんだん、太くなっていく。先端からまたも液を撒き散らしながら、赤い血液と混じりあってさらに奥へと進む。
「ひ、……っ…ぅ……」
あまりの圧迫に、息をする事すら十分に出来なかった。
挿入のショックで、今まで耐えに耐えてきた…その瞬間は呆気なく訪れて。
ドクン…ドクン…と、ルックの中心からは蜜が溢れ出していた。
細い蔦が何処からともなく延び、先の窪みに吸い付く。
吸い取っているのか…出される液は全て飲み込まれて行った。
「ふふふ…、やっと素直になったようね…でも、まだ足りないわ…」
神経が繋がっている為か、自ら吸収したような恍惚の表情を浮かべて、艶笑する。
蔦のモンスターは、指が鳴るまでもなく。自ら内部を動き出していた。
狭い膣内を自らの液で満たし、滑らかに抽挿する。
ゆさゆさ…、揺さぶられる中で、思考は完全に麻痺してしまっていて。
内部から吸収される強烈な催淫の効果で、口から漏れるのはただ…意味の無い喘ぎのみ。
「……ぁっ…あ、……う…ん、…ァ…」
圧迫の痛みもすでに感じない。
身体を支配するのは…内からくる壮絶な快楽。
あんなに耐えていたモノは…抽挿のたびに、先から吐きだれていく。
……このまま、全て無くなってしまうのかな…
アンタに、…あげる……為の、……それだけの為のものなのに……
虚ろな思考で、頭に浮かぶ。
鮮明に描かれる、姿に…会いたいな…、と…思った。
「……ルック…!!!!」
辺りに、声が響く。
聞き慣れた声で奈落へと沈みかけた、意識が一気に浮上した。
「来ちゃ駄目だ…っ!!!」
何よりも先に叫んだのは、静止の言葉だった。
自分に叶わない相手が、彼1人でどうにかなると思えない。
それなのに、弾かれたように顔を上げて飛び込んで来た映像は
電撃を刀身に纏わせて、一気に間合いを詰めるフリックの姿だった。
「……だぁぁぁ…!!!!!!」
一瞬、うろたえた女だったが、すぐに気を持ち直して気合の唸りをあげながら突進する姿に、蔦を向かわせる。
無数の蔦が四方から襲いかかる。
フリックは、裂ける空気の音を読んで、考える前に身体が動いていた。
何本も放たれる蔦は触れる前に全て切り落とされて行く。
早すぎる太刀筋に蔦の攻撃が追いついていなかった。
雷を纏った刃は普段よりも数倍切れ味が鋭く、小気味良く切って落ちる。
あっと言う間に詰められた間合いに、焦った女はルックを手放して、モンスターを自分のもとへと向かわせた。
その判断が…間違っていた事を、女は後悔する事になるだろう。
ルックから離れた瞬間に、剣を振りながら唱えていた雷撃の呪文を完成させる。
全ての魔力を費やして、身体の奥から湧き起こる魔法を最後の言葉で発動させた。
「…雷撃球…!!!!!」
剣で指し示した、モンスターの頭上から雷の塊が出現した。
びりびり…と、フリックの手に魔力の波が伝わる。
渾身の魔力で引き出したそれは普段よりも数倍大きいもので、耐え切れなかったのか剣を握る拳の血管が破裂し、血液が噴出した。
それでも、魔法を止める事はなく、避けようと動くモンスターを追って、急下降していく。
一気に落とされた雷撃の球はモンスターを包み込んで、中心へ向かって放電した。
バチバチバチ…!!!!!…と、中から凄まじい音が聞こえる。
数秒後、ふ…と、消えた黒い玉の中には、何も残されていなかった。
はぁはぁ…と、肩で息をつきながら、雷撃球の余波を受けて、倒れた女のもとに向かう。
近寄ってくるフリックに気付いて、女は慌てて逃げようと、反対方向へずり下がった。
「普段ならば…見逃す所だが…、生憎…今はそんな気分じゃ無いんでな」
冷たく言い放ち、逃げようとする彼女の身体を、心臓目がけて突き下ろした。
寸分違わず吸い込まれた剣先は、絶叫すらも許さずに、女の命を絶滅させる。
そうして、辺りには静寂が戻った。
充満していた瘴気も、すっかり無くなっていた……
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柔らかなシーツの感触。
感じる温もりは、自分が良く知っているもので…、目覚めるのが嫌になってしまう程、心地良い。
まだ眠っていたい…無意識に意識が沈もうとするが…
手に、何かの感触がある。
それが意識を止めさせて、その暖かい感触の正体を見極めたくて。
その人の…顔を…見たくて、重い瞼をゆっくりとこじ開けた。
「……ルック…」
目に入るのは思った通り、心配そうな青い瞳。
きゅ、…と握る手が少しだけ強くなる。…とても暖かい、温もりに、自然と笑みが浮かんだ。
心配のあまりか、ともすると泣きそうな顔にすら見える。
先ほどの剣士の顔は何処へやら、瞳に映る情けない表情は、自分の愛してやまない者。
「何て顔してるのさ…さっきの、格好良さが半減だよ…?」
くす…と、笑ってから、身体を起こそうとして、下腹部に激痛が走る。
顔を顰めるルックに、慌ててフリックが身体を支えた。
「まだ寝ていろ、魔力も吸われていたみたいだし、相当力が無くなってるんだ」
そう言うフリックの言葉を無視して、ベッドに身体を起こす。
言う事を聞かないルックを戻そうと腕を押すが、自分の方へ抱きついてくる彼に力を抜いた。
「……ルック…大丈夫か…?」
ぎゅう…と、しがみ付いてくるルックに、優しく声をかける。
身体は綺麗に清められていた。纏わりついていた匂いは完全に消えている。
気を失っている間にフリックがしてくれたのだろう。
それでも…
「フリック…抱いてよ……」
ぽつりと呟いた声に、フリックの身体がぴく…と、反応した。
「何言ってるんだ…お前、こんなに疲れて……」
「構わない、構わないから……」
そう言って見上げる翠の目は縋るような頼りなげなもので。
腕から、微かに震えが伝わってきた。
「ルック…」
その真剣な様子に、フリックはそっと背に手を回して抱き締める。
震えを宥めるように、優しく優しく…背を撫でる。
「お願いだから…フリック、……抱いて…」
なおも言うルックに困惑した気配を見せるが、それ以上は何も言わず、身体をベッドへと沈ませた。
「……ルック…」
覆い被さって、唇を合わせる。
暖かい感触が触れた。その頭を包むようにルックの腕が回される。
長い、キスを交わした。
初めは啄ばむような軽いもの。徐々に…深く、重なって…唾液の音が聞こえるほどに、舌を絡ませて吐息を奪い合う。
はぁ…、と熱く潤んだ瞳が、フリックを見上げた。
「この匂い消して…アンタで全部…埋めてよ……何度でも重ねて、…アンタの香りに…変えて…」
切なる願いが、吐息交じりで放たれる。
その願いを、断る理由はフリックには無かった。
優しく、瞼にキスをして、頬に、唇に…降りて行く。
首筋に滑らせた唇で軽く吸うだけで、ルックの身体は反応し、ぴく…と、動いた。
まだ、催淫の効果が残っているのかも知れない。
服の上から撫でる、僅かな愛撫でルックの中心は頭を擡げていた。
フリックの手から生み出される快楽は、甘くて素直に快楽を呼び覚ましていく。
ルックは自ら身体を開いて、フリックを導いた。足の間に入るフリックは、そこへ、顔を埋めていく。
「……っぁ、…フリック…駄目、…」
前へ愛撫をしながら、後ろの蕾へと顔を寄せた彼は、舌でたっぷりと唾液を塗りつけた。
切れてしまっている入口から、ぴり…と、痛みが走る。
むず痒いような痛みは、前の愛撫と交じり合って、快感に拍車をかけていく。
「………、っふ…あ、ぁ…フリ…ック、…ヤ…」
頭に手を添えて、髪の毛を、ぎゅ…と掴む。離そうとする緩い力を無視して、まるで何かを舐め取るかのように、丹念に舌を這わせた。
十分に唾液を流した後、蕾へと舌先を挿入する。
途端に、びくん…と腰が上がるのを引きとめて、内部へまでも唾液を塗りこめていった。
「…んん、……ぁ…ふ…、もう…良い、から…早く、アンタの…頂戴、…っあ……、フリック…、ぅ…」
眉を寄せて喘ぐルックに、顔を上げて、身体を起こした。
足を両側に開いて、身体を進める。
先端から流れた先走りの液を下へと塗りつけて、自らのモノに、サイドの戸棚から出した香油を流す。
「ルック、力を抜いていろよ…?…少し…痛むだろうが…」
「……大丈夫、痛みもアンタが与えてくれるなら…全部、欲しいから…」
息を吐いて体制を整えて見上げるルックに微笑んで、ヌメる自身に手を添えて、入口にあてがった。
行くぞ…と、小さく囁いてから、ずず…と、侵入して行く。
絡みついた香油のすべりで、苦も無くそれは内部へと納まっていった。
それでも、傷ついた内部からは痛みが生まれる。
苦しげに寄せられる眉に、大丈夫か…?と、頬を撫でて自分の欲望を抑えて、殊更ゆっくりと挿入していった。
「……ん、ん……ぁ、…だ…い、じょうぶ…、…ぅ…あ、…来て…もっと…」
気遣う緩慢な動きに焦れたのか、ルックが自ら腰を押し付けてくる。
深くなる繋がりに小さく悲鳴を上げながらも、動くのを止めようとしない。
ルックの望みを感じて、ルックの動きを制する為に腰を掴んで軽く浮かせた状態にする。
そのまま腰を動かして抽挿し始めた。
もっと、…と強請る声に答えようと、遠慮がちな動きは止めて、何度も腰を突き入れる。
「ぁっ…あ、ぁ…っ……ん、フリック…っ!!…あぁ…っ、あ…」
軋むベッドのタイミングと同じように、途切れ途切れの喘ぎが部屋に響いた。
前の愛撫を離して、抽挿に専念しているにも関わらず、ルック自身は高く下折立って、先端から透明な液を流している。
「…っく、…ルック…ルック…!!!」
擦られる内部に、フリックの声も切羽詰まったものに変化していく。
それを聞きながら、ルックは快感を共有する為に、内部の収縮を繰り返して、熱く滾り摩擦を生み出すモノを愛撫していた。
「―――っあ、…あぁぁぁ!!……フリ…ック…!!!!」
何度も揺さぶられて徐々に絶頂へと昇り詰め、行き着く瞬間、名前を絶叫し熱い精液を放った時、ルックは再び意識を沈ませていた。
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「本当に、良く…わかったものだね、あの場所が…」
気だるい身体に吐息をつきながら、ベッドに寝たまま、横に座るフリックに声をかける。
フリックは、あぁ…と、頷いて、ルックの頭を撫でた。
「お前が行って、数時間後に…お前さんの師匠が現れてな?」
「レックナート様が?」
きょとん、と…こちらを見るルックに、再び頷いてやる。
「お前の様子がおかしいから、見に行ってくれないか?って言われて。何でも自分と反発する魔力があるとかで、行けないからって」
「そう…」
恐らく、水晶球で自分の変化を感じ取ったのだろうが……何故、フリックにそれを頼んだのかは、恐くて聞けない。
何処まで知っているのか……
「それにしても、アレを倒せるなんて…アンタの魔力もずいぶん上がったもんだね…」
「あぁ…それも、彼女から貰った薬でな、魔力を増幅させてたんだ。ついでに、外から魔力干渉を受けないアイテムも」
「……………………そう…」
用意周到な事だ…ルックは溜息をついて、ベッドに沈み込んだ。
しかし、結果的には助かったのだから…理不尽なものを感じつつも、後でお礼に行かないと…
疲れた身体は何度でも、幾らでも眠りを必要とするらしく、目を閉じて考えていると再び眠気が襲ってきた。
優しく撫でる心地良い手の感触を味わいながら、ルックはまた…眠りの縁へと落ちて行った…
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