※「黒ツナ×ディノが絡んだ雲ディノが読んでみたいです」
とのリクエストの元で書かせて頂きました。ありがとうございます!
5:たまにはこんなのもイイでしょ
何故こんな事になっているのだろう。
ディーノは見慣れた天井をぼんやりと見つめながら、今更ながらに心中で思う。
逃げなければと思うのに身体は上手く動かない。
徐々に浸透していく薬の力に、ディーノは身体が熱くて仕方なくなっていた。
聞くまでもなく薬は媚薬の類だろう。入手先は恐らくリボーン…。
「…っぅ…、は…く」
そんな事を考えていると、綱吉の手が既に硬くなっている中心を撫でて来て。
抑えきれなかった声が口端から漏れた。
「声は抑えなくて良いですよ、他には誰も居ませんし」
密かに悩ましい声を吐くディーノに、綱吉は小さく笑いながらそう言った。
家の人達が帰って来ないのは知っている。
学校がある綱吉を置いて旅行に行ったと寂しそうに言われ、ディーノが泊まって行くと申し出たのだから。
揶揄るような言葉に薄く瞳を開けてその表情を見る。
それはいつも見ている素直で良い子の顔ではなかった。
(酒で性格変わるタイプだったんだな…)
酒はリボーン用に持って来たものの、不在の為ディーノは綱吉と共に晩酌していた。
とは言え綱吉は未成年だから最初はディーノだけ飲んでいたのだが。
ほろ酔いになってつい、悪戯に綱吉に飲ませてしまった。
すぐに潰れるかと思ったのに、意外にも綱吉は飲める方だった。
最初は戸惑っていたものの「美味しい…」と、グラスを傾ける相手に、楽しくて勧めてしまい。
気づくと様子が変わっていて、何だか目が据わっている感がある。
大丈夫かな…と伺っていると、綱吉はおもむろに机の引き出しからチョコレートを出してきた。
ただの酒のつまみだと思っていたのに。
徐々にだるくなる身体に、薬が混ざっている事に気づいた。似たような症状に覚えがあるからだ。
そして酒の勢いなのか、綱吉は悪戯を仕掛けてきたのである。
絨毯に座りベッドにもたれて、頭を仰向けに寝かせているディーノの太ももに綱吉は跨って、
楽しげに身体を撫でまわしている。
それが実に性感を煽る触れ方で。薬で過敏になっているディーノは逐一反応してしまう。
「んっぁ…、ツナ…もう悪戯は、止めろってー…」
「良いじゃないですか、気持ちイイ事しましょうよ?」
肩に添える手は力なく、言葉だけで制止するディーノに綱吉は引く様子はない。
シャツを捲り上げて胸を撫でるのに、掠れた声が吐かれる。
そんなディーノに煽られるのか跨っていて太腿に当たる綱吉自身は、熱を持っているようだ。
(弟弟子にこんな性癖があるとはなぁ…)
酔った勢い…と言うのは良く聞く話だが。
そもそも相手が性の対象じゃなければ手は出ないだろう。
自分に触って興奮しているようだし、性別への拘りはないらしい。
と言うか、やけにツボをついてくる触り方が経験があるようにしか思えない。
もしかして男経験があるのかも…。
「…ふ…、ぁ…駄目、だって…ツナ」
「こっちはそうは言ってませんけど…」
「…っ!あ…、ぁっ…触る、な…ってば…!」
窮屈になっていたデニムの前を開けられて下着の上方から自身に直に触れられ。
ディーノは今まで以上に腰をびくつかせて声が上がる。
すでに硬くて熱い自身は感じているのを隠しきれない。
「ほら、こんなに硬い」と、嬉しそうに言われるのに、ディーノの頬が熱くなる。
羞恥に身を捩るも力のない抵抗は全く効かなかった。
ぎゅむ…と自身を握ると、綱吉は手早く上下に扱き始める。
「ぁっ…ぁ、ぅ…、…そんな、に…シたら…っ」
「感じやすいんですね、ディーノさん。薬のせいだろうけど、すぐ出ちゃいそう」
「んっ…ぁ、ふ…、そ…だよ。くす、りのせい…!やべーって…、出る、から…ぁっ」
過敏になっている身体に直の刺激は重く響く。
通常は断じて早いわけじゃないが、今はもう制御も何も出来なかった。
精一杯の力で綱吉の胸を押すも愛撫の手は休まらない。
一気に達しさせようとしているのか、根元から指圧しながら先端に擦り上げ、指先で窪みをぐりゅ…と抉る。
「…!!ぁっ…、あぁァ…、…く…んっ!」
容赦ない追い上げにディーノはびくん、と身体を痙攣させ、綱吉の手に白濁を吐き出してしまった。
はぁはぁ…と荒く息を吐く間も綱吉は搾るように扱いていて、快感が続くのに瞳に涙が滲む。
「ん、…ぁふ…、や…もう…離せ…」
「まだまだ足りないでしょう?あの薬、案外強いから」
「…って、ツナ…。何でそんな事…」
「前からディーノさんに触りたかったんです…」
持続する快感に頬を上気させて声を掠れさせながら見上げると、綱吉はにこぉ…と妖しく微笑む。
その瞳は潤んでいて、理性が飛んでいるのを感じていた。
常は押さえていたものが酒で箍が外れてしまったのだろうか。
自分がそんな風に見られていた事に驚きを感じると共に、快感に流されそうな思考を頭を振って留める。
ずるりとデニムを脱がされて足を広げられるのに、サァ…と顔が青ざめる。
綱吉だって男なのだから、当然この先だって進めたいだろう。
「ツナ…!これ以上は駄目だ!だって、オレは…っ!」
「知ってますよ、ヒバリさんの事は」
「……!!」
必死に止めようと身体を押して言い募るディーノに、綱吉はあっさりと言葉じりを取って言う。
それに驚いて固まっているディーノをよそに、綱吉は手を止めようとせず。
白濁で濡れた手でぐちぐちとディーノの自身を擦り続ける。
「っぅぁ、ァ…それなら…何で…」
「ヒバリさんと付き合ってる事は知ってます。別に奪おうとか思ってませんよ?ディーノさんに触りたいだけです」
「そ…、そんなの…変だろーっ!?」
「恋人じゃないと駄目なんて、硬くないでしょ?ディーノさんだって、他の男との手でイったくせにー」
止まらない愛撫に身を捩らせるも快感は治まる事がなく、ビクビクと身体は痙攣してしまっていた。
感じているのは綱吉の手中にある硬い自身がはっきりと示している。
そんな状態で自分を咎められるのかと、にこぉ…と笑む綱吉に、口元が引き攣った。
「こ、れ、は…薬のせいだろーっ!」
「またまた…、そんなのきっかけですよ。ディーノさんって流され易くて快感に弱いんですね」
「そんな事は…っ!…ぁっ、あぁ…っふ…ンンっ」
否定しようとする言葉が上下する手に遮られてしまった。
こんな様子では揶揄られても仕方ない事だろう。
(お、オレって…、流され易いんだな…)
体内の熱とあまりの気持ち良さに抗えようもなくて、改めてそう思ってしまう。
そんな様子のディーノを薄く笑んで見下ろし、足の間に身体を置けば。
たらたらと流れる先走りと白濁を塗りつけながら後ろに指を這わせるとディーノの震えは一層強くなる。
ぐちゅ…と指を1本入れて掻き回すと高く響く嬌声が大きくなって。綱吉も性感を煽られて指を増やしていった。
蕩け始める内部にディーノは確かに感じているようだ。しかし…。
「は…っく…、ぁぅ…、ダメ…後ろ、は…ヤだ…」
挿入の準備で広げようとしているのを察したのか、涙混じりで言い綱吉の腕をぎゅぅ…と掴む。
潤んだ瞳が扇情的で、興奮を煽る一方だったが。さすがに泣き声で言われるのには目を細めた。
「へぇ…、結構頑張りますね…」
「当然だろ?それは僕のモノだからね」
溜息混じりで綱吉が言葉を吐いた時、その場にそぐわない硬質な声が後ろから響く。
いつの間に来たのか、綱吉の部屋の窓に足をかけて常に見る登場の仕方で。
雲雀恭弥その人が居たのだ。
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2010.01.25