※HDで「鳴いて喚いて縋って、るディノさんが見たいです!」
というリクエストの元で書かせて頂きました。ありがとうございます!
7:何が欲しいか言ってみなよ
(苛々する…)
応接室の窓からふと眼下を見下ろし目にする光景に、恭弥は眉を寄せ内心で唾を吐く。
この感情が嫉妬だと言う事はとうに気づいていた。
最初はわからなかったが、今ではもう明確に自分の中に根付いている。
こんな気持ち彼に出会わなければきっと、一生芽生える事がなかっただろう。
自分がこんなに独占欲が強いなんて知らなかった。
それなのに。
それを逆撫でするかのように、彼は回りに愛想を振りまくのだ。
きらきらと光る金髪と類似した笑顔を惜しげもなく見せて。
いつでも明るい言葉を投げかける彼に、好印象を持たない人はいないだろう。
それがあの人の本質なのだから仕方ないとも思う。
彼からそれを取ってしまっては、恐らく彼は彼でなくなる。
そしてあの明るさに自らが救われている事も確か。
だからと言って、それを自分以外にも向ける事に。
苛立たないわけではない。
馬鹿馬鹿しい…
恭弥はこちらの視線に気付いた彼を、無表情のまま見据えた。
手を上げて馬鹿みたいに振っているが、それに応える事はない。
気を引くようにふい…と視線を逸らすと窓際から中に歩んで行く。
異常なほどに執着しているのはわかっている。
いっそ。閉じ込めて自分だけを見るようにしてしまえたら。
そんな願望を抱いたのは一度だけじゃない。
けれどそれをした瞬間に、あの光が失えてしまう事がわかっているから。
今まで実行する事はなかった。――出来なかった。
だから僕は、求めてしまうのかも知れない。
一時だけでも僕の手に墜ちるあなたを。
その時だけは、自分だけのものだと感じられるあなたを。
だから僕は、また仕掛けるのだ。
わかっていて自らかかりにくる獲物の為に。
僕の罠に墜ちておいで…。
*
「っぁ…、く…ぁ、ァ…ぅッん…」
先ほどまでの腹立たしいほど暖かな日常とかけ離れた空間がここにある。
応接室は僕の巣。のこのこと現れる獲物を捕らえるための。
僕の事が大好きなあなたは、こうなる事をわかって引っ掛かりに来る。
僕と言う餌に釣られて仕掛けた罠に墜ちてくる…。
「ふ…、ぁっァ…、っン…く」
「気持ち良さそうだね」
ソファに横たわり、腕を頭上に縛られ固定されて。
ただ後ろを指で弄られているだけなのに、あなたはしきりに甘い声を上げる。
何度もしたセックスに慣れた身体が、アナルからの刺激を快感に変換していて。
入れた2本の指でしこりを挟んで執拗に押しつぶせば。
痛いくらいに勃起したモノが嬉しそうにふるり…と震えた。
しかし限界まで下折立っているその先からは先走りが滲むばかり。
根本をきつく縛られていて開放する事ができないのだ。
「イっ…ヤ…、だ…恭弥。もう…、痛…ぃっ。離せ…よぉ…」
「嘘つきだね、痛くて気持ちイイくせに」
ディーノは塞き止められる苦しさに双眸から涙を流して懇願する。
拘束された自身が張り詰めて赤く変色していて痛々しい限りだが。
あなたの声は明らかに感じている甘さを含んでいて、否定に全く真実味がなかった。
その証拠に、手を添えなくても天を仰ぐモノの先端を強く爪で弾けば。
途端に高く嬌声を上げて首を仰け反らせた。
「はっ…ぅぁァ、…ッ!あっ、ァ…、んんっ」
「ほら。感じた声上げて…、いやらしいね」
「違…、っ…ぅぅ…。も…苦し…い」
頭を振って金の髪を揺らすも、ビクビクと動く腰が快感を物語っている。
全く…、本当に楽しませてくれるよ、あなたは。
突っ張りながらも快楽に忠実で、いたぶられる事に快感を覚えるなんて。
僕の過剰な嗜虐心を大いに満たしてくれる…そんなあなたが大好きだよ。
でも、これからだから。
もっともっと大好きな…、あなたの変貌する瞬間をみるために。
焦らして焦らして、苛めたくて仕方ないんだ…。
僕だけのあなたを…、晒して…ディーノ。
「何…、…ァっぁ…、ぅ」
僕は用意してあった小型の複雑な形をしたバイブを取り出すと、指の変わりに突っ込んだ。
対して大きくもないそれは圧迫をするわけではないけれど。
形状が限りなく前立腺を刺激するようになっている男のアナル専用の物だ。
ちょうどしこりに当たる部分が振動するようになっていて。
僕はそのスイッチを一気に強にして、入れた。
「ひ…、ぁ――っ!!…ぁ、ぁぁァ…ッ!」
ビクん…と大きく身体を跳ねさせて、ディーノは一層高く悲鳴にも似た声を上げた。
赤黒く膨張した自身が実に苦しそうに痙攣している。
慣れれば射精をしなくても中だけでイけると聞いた事があるが。
虚ろな瞳でヒクヒクと膝を震わせている様子を見ると、もしかすると軽くイっているのかもしれない。
僕は決して前には触れずに、強く振動するバイブを押し上げるように動かして更にその部分を刺激した。
「んぁ…っァ、…ぁう、ふぁ…ぁっぁァッ!…ぅッン」
イく感覚が持続しているのか白い首筋を晒し仰け反らして、引っ切りなしに喘ぎが上がった。
朦朧として視線の定まらず、だらしなく開いた口端から唾液が流れて。
流れた涙も合わさって酷い有様だ。
そんな状態のディーノを見て。僕はどうしようもない程の興奮を覚えていた。
変質的なこの性質を満たしてくれるのはあなただけだよ。
あなたは僕のために、僕だけのあなたを見せてくれる。
僕だけを渇望するあなたを―――……
「何が欲しいか言ってみなよ」
小刻みに腰を震わせているディーノの頬に、そっと手を触れて。
柔らかく手を触れさせて撫で、僕は驚くほど優しい声で囁いた。
そんな刺激にも感じるのか、甘い声を漏らしながらも。
ディーノは緩慢に首を動かして僕の方を見る。
「何が欲しいか言ってみなよ、…ディーノ」
「…ァっ…、ン」
名前を呼ぶと快感に震えるあなたが愛おしい。
すでに思考は蕩けきっていて逡巡する仕草も見られない。
扇情的な潤んだ瞳を僕に向けて、あなたは…。
僕の望みの言葉を…吐いてくれる。
「ぁ…、恭弥…が。欲し…ぃ…、お願い、恭弥…、お前を頂戴…っ」
形振り構わず、縋るような目をして。
ぼろぼろと涙を流して僕を見上げ切なげに眉を寄せて。
喘ぎながら僕を請う。あなたの姿が…何よりも好きなんだ。
この瞬間だけは。僕だけを見て、僕だけの事を思って。
あなたの全てが僕でいっぱいになっている。
ぞくぞくする…。
あぁ…、そんな蕩けた目で見つめられたら…
イってしまいそうだよ…、ディーノ…
「ぅっぁ…、ぁぁぁァっ…、――んんっ!」
振動するソレを引き抜いて滾る欲望を突き立てれば、悦楽に満ちた嬌声が響いた。
すでに前の痛みすらも快感なのか、開放を求めようともしない。
僕が動かす前にディーノの腰が揺らめいて、ナカの柔肉が絡み突いてくる。
限界に興奮していた僕は我慢もせずに、入れただけの中に射精をして精液を注いでいた。
「あ、ぁ…。きょ…やの、熱…ぃ」
「は…、…そうだよ…僕の、好きだろう…?」
「ン…ぁ…、好き。もっと…欲し…」
「…ふ…、どれだけでもあげる…。あなたが…欲しがるだけ、全て」
萎み始めようとしていた性器が、鼻にかかったディーノの懇願にすぐに硬度が増すのを感じていた。
どのみち1度の射精で満足できるような僕でもない。
半ば勃っていたそれを何度か揺らせば、絡みつく内部にすぐに力を取り戻し。
あなたを抉る快楽と言う名の凶器に変貌した。
「ぁ、ぁぁ…、っきょ…や…っぁ…!!ぅ…ンっ…、ァッ」
「ハ…っく…、気持ちイイ…、たまらないね…本当に」
「んん…、イ…ぃ…、凄く…いい…。んぁ…恭弥…、きょぅ…ゃぁ…っ、もっと…」
ぐちゃぐちゃに溶けたあなたの甘い声。
僕だけを求める潤んだ瞳、熱く火照った身体と。
灼熱の摩擦に融解しそうなほど、こすり合う柔らかい肉。
なにより。
壊れたように僕の名前を呼ぶあなたを。
―――愛しているよ、ディーノ。
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2008.09.28
うーん、大丈夫かなー…露骨表現…(笑)
まだペ○スと書くのは抑えたんですけどね、ふはははは。
今回、今までやらなかった喘ぎとか表現を満載にしていますが。
どーなんだろう、夢で出来ているBLの世界で、大丈夫なんでしょうかねこれ。
私だけが楽しかったとかどうしよう(笑)露骨な言葉嫌いな人もいますよねー
まぁ、ちゃんと毎回タイトルで注意します(笑)