ふと消えた隣の気配に目が覚める。
「う……ん」
ふわわ、とあくびをしてから身体を起こした。何だか体中がぎしぎしと軋む。
……昨日、無茶したせいかな…
俺は昨夜の情事を思い出し、げんなりしながら赤くなるという器用な表情をする。
居るべくはずの部屋の住人は姿が見えない。横に温もりがまだ残っていたから、先ほどまでは居た事は確かだろう。
ベッドから降りて辺りを見回すと、床に足をつけた途端、昨日の朝の違和感を再び感じた。
まさかまた何か……そう思い姿見を探すが、ルックの部屋にはそんなものは無いらしく……
「……起きたんだね」
空中から湧いて出る声に、はっと振り返る。
その姿を認めた時にあれ……?と視線の位置に首を傾げ
「お前、昨日より縮んだか……?」
「―――寝ぼけてるの?アンタが大きくなったんでしょ……」
不思議そうな俺の声に呆れた溜息交じりで答え……って、大きく!?……という事は――
「元に戻ったのか!?!」
「―――馬鹿?」
喜びかける自分に冷たい一声。
……わかってるよ、ちょっと言ってみたかっただけだろ……
「…今は、いくつくらいに見える?」
取りあえず落胆から復帰して聞いてみる。
理由はわからなかったが俺の身長は昨日より確かに伸びていた。ルックの腰の辺りだった目線が今は、胸くらいの所にある。
「そうだね、トウタと同じくらい……?」
簡潔でわかりやすい答えに俺はがっくりと頭垂れた。まだまだ、元通りには程遠いらしい……
「とにかく、早く支度をして……行くから」
「……何処に?」
「シエラの所、さっき確認してきたら今は戻ってるらしいからね」
きょとんとして見上げる俺に説明をくれる。手回しの良い事に驚きつつも手渡された服にいそいそと着替える。
………ルックの普段着用のそれでさえ、まだ袖が余る所が悲しい。
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